旭山動物園ぺんぎん館 誕生と特徴
ぺんぎん館の誕生
2000年9月10日にオープン。動物の展示方法を従来の形から一変、正に行動展示という旭山スタイルを築いた施設を誕生させました。当時画期的な水中トンネルを設け、素早いスピードで自由に泳ぐペンギンの姿を、360°水中側から観察することを可能にした施設です。
それはまるで空を飛んでいるかのようで、映画「旭山動物園物語〜ペンギンが空を飛ぶ〜」のモチーフにもなりました。
旭山動物園ではペンギン館に限らず、動物本来の能力を存分に発揮できるような工夫をした施設運営を行っていおります。
ペンギンの種類
現在旭山動物園のペンギンは、キングペンギン、ジェンツーペンギン、イワトビペンギン、フンボルトペンギンの4種が展示されています。
見どころ
水中ドーム
旭山動物園ぺんぎん館の大きな目玉は水中ドームですが、ペンギン館の向かって下方側に入り口があります。中に入ると薄暗い廊下を進み目的の水中ドームが現れます。
よく泳ぐ時間帯が決まっているわけでもなさそうですが、飼育員の方がペンギン広場の清掃を始めると、キングペンギンは一斉に隊列をつくりプールの方へ移動して飛び込みます。
館内展示
ペンギン館内ではペンギンが卵を温めていたり、子育てをしていることもあります。またプールがガラス張りになっており、水中ドーム同様目の前を自由に泳ぐペンギンを間近に見ることができます。
ここに注目!
陸上ではヨチヨチと歩きとっても愛らしいのですが、いったん水中に入るや水の上を跳ね回ったり、ものすごいスピードで仲間や障害物もさけて泳ぎます。かじ を取るのは2本の両足で、その能力を十分に発揮できるように複雑に作られた設備と環境にも注目です。
そして以外にも寒さに強いと思われがちなペンギンたちですが、旭川の寒さは大変きびしく冬の間館内では暖房が行われています。
水中給餌(不定期)
飼育員スタッフの方にはスキューバーダイビングの資格を取り、水中でペンギンたちが餌を食べるシーンを再現するなど、ペンギンの特性を生かした展示を披露してくれています。(実施は不定期です)
冬の展示と見どころ
ぺんぎんの散歩
―冬の大人気イベント― 12月中旬頃~3月下旬頃まで
ペンギンの散歩は、ペンギンの餌をとりに歩く習性を生かし、冬場の運動不足解消に始まりました。
ペンギンの散歩を始めるには、十分な積雪が必要になります。毎年12月20日前後、12月17日あたりが練習を兼ねて開始されることが多いと思います。1日2回の実施で、全長約500mくらいを30分~40分程かけてキングペンギンが隊列を作り行進します。
ペンギンのコースには、雪の上に赤い2本のラインが引かれています。
3月に入ると1日1回の散歩になる可能性があります。
もう一つの散歩の魅力 ジェンツーペンギンの参加
もともとはキングペンギンだけの散歩でしたが、2007年よりお茶目なジェンツーペンギンも参加し、その魅力はさらに増大しました。
キングペンギンに比べて非常に好奇心旺盛のジェンツーペンギンは、寄り道したりお客さんに近づいたりと愛らしくてその人気は毎年上昇中です。
現在コロナウイルスの影響から、展示方法が変わる可能性もあります。ペンギンの散歩は蜜になりやすいですが、どんな苦難にも挑戦し続ける旭山動物園ですから、きっと実現させてくれるのではと期待しております。
トボガン広場
毎年積雪の季節に設置されるトボガン広場。ペンギンが陸橋を渡ってぺんぎん館前に作られたもう一つの広場に自由にやってきます。
人なつっこいジェンツーペンギンや大きなキングペンギンも、陸橋を越えて私たちの目の前にあいさつに来てくれます。
「私たちのもっともっと近くに」が実現される施設です。
ペンギン館を楽しむための豆知識
ペンギンの散歩とは?
集団で移動するキングペンギンの習性を利用し、冬の運動不足解消のために始められました。散歩は積雪との関係で、12月中旬頃から始まりました。(雪がないと足を痛めるため)
2008年から本格的にジェンツーペンギンも加わり、さらに楽しいペンギンの散歩へと変わって行きました。
行儀良いキングペンギンとは違いジェンツーペンギンは、お客さんのそばに行ったり、道を外れたりと、引率の飼育員さんの心配をよそに、やり放題!。その姿を見た誰しもは、満面の笑みがこぼれております。
そしてその日の散歩に参加するペンギンは、その日の気分次第。居残るペンギンもいれば、出掛けたくなるペンギンもいるのがちょっと人間ぽいかもしれません。そんなお茶目なジェンツーペンギンですが、ペンギンの散歩が終了に近くなる3月になるとあまり散歩に出ない傾向になるようです。散歩開始の12月からは、率先して先頭になって行進します!
ペンギンが飛ばなくなったのは?
もともと鳥類は空を飛ぶことで外敵から身を守ってきました。鳥類であるペンギンはどうして空を飛ばないのでしょう。
それは、水にもぐることで敵から身を守ることを選んだからです。空を飛ぶ必要がなくなり、しだいに飛ぶ能力が失われてしまったからです。
こげ茶色のペンギンの謎
キングペンギンと同じくらいの大きさで、こげ茶色のペンギンがいるのを見た事がありますか。何ていうペンギンなのかと思った方もいるかもしれませんが、実はキングペンギンのヒナなのです。子供の頃のこげ茶色の毛が抜けると、白、グレー、黄色のコントラストが美しいキングペンギンの大人の姿に変わります。
注意してほしいこと
くれぐれもペンギンにさわったりすることは、絶対にしてはいけません。ケガをしたり、人の手から病原菌の感染が起こる可能性があります。散歩中は、ペンギンたちが通過するまでコースを横切ったりできなくなるので注意です。
旭山動物園の映画化とドラマ化
2009年にマキノ監督(津川雅彦さん)作品、映画「旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ」(角川映画)が公開されました。旭川観光大使である津川雅彦さんは大の旭山動物園フリークで、プライベートで何度も旭山動物園へ訪れていたと伺っております。
この映画は、閉園の危機を乗り越え、スタッフ一同が夢と情熱を傾けて、現在の日本一の動物園を作り上げてきたノンフィクション(実話)の映画化です。「決してあきらめない」ことがすべての根源であり、苦難を乗り越え再生と進化を遂げていくことの原動力であることを教えてくる作品だと思います。
その他フジテレビでは、ドラマ「奇跡の動物園~旭山動物園物語~」が、またテレビ東京系で「シロクマ園長 命の事件簿」が製作され話題を呼びました。
興味ありましたら一度ご覧になってはいかがでしょうか。