旭山動物園オオカミの森 誕生と特徴
オオカミの森の誕生
2008年6月、オオカミの森が誕生しました。今や絶滅した日本のオオカミが、北海道のこの地旭山に新しい子孫を残していくことを期待されての新施設の誕生となりました。オオカミと言えば犬科の動物なので一見犬に見えますが、その姿は野性的で力強く、どことなく威厳があり、また鋭い眼力の表情は見ていて飽きがこないのがオオカミの魅力の一つです。
旭山動物園で展示している種はシンリンオオカミ。当初カナダからオス、メスの黒い2頭の兄弟オオカミが来園しました。のちに新たな繁殖(ペアリング)を目指して秋田県から白いメスのオオカミの「クリス」が来園しましたが、残念ながら闘争により首をかまれて死亡しました。
その後現在のオオカミ一家の大家族を作り上げた肝っ玉母さんの「マース」が、家族の父となるケンと同じくカナダから来園したのです。
ここ旭山動物園のオオカミたちは、実質カナダから北海道に移住し旭山で結ばれ帰化したシンリンオオカミということになります。
オオカミの森へ
オオカミの森の入り口は向かって右手の下方にあります。こちらも一方通行になっていますので、原則戻ることはできません。中に入るとオオカミに関すること、施設に関することについての掲示物があります。そこには天窓もついていて、オオカミがその上を歩く様子や足跡などを見る事ができます。さらに進むと中庭の様に開けます。丁度オオカミたちの生息地に迷い込む様な感覚になります。そこにはオオカミが子育てをする洞窟がありますので、子供が誕生するとその洞窟から子供たちが出入りする様子も見れる様になります。
そこからさらに進むと廊下と右手の階段に分かれます。右手の階段を登ったところにあるのがヘアーズアイ。かまぼこ状の透明カプセル内から外にいるオオカミを間近に見る事ができます。また廊下には旭山動物園出身の絵本作家、あべ弘士さんのイラストが展示されています。イラストはかつて北海道に生息していたエゾオオカミの物語になっています。
再び階段とエレベーターに分かれます。2階に上がればオオカミたちが生活するオオカミの森全景が広がります。オオカミの森をバックに記念写真を撮るのも良いです。
オオカミの森 ケンの死亡
オオカミの森の歴史を作ったリーダーのケンが、老衰のため2020年10月10日死亡しました。13才だったようです。ケンが来園した当時凄く大人に見えたましたが、オオカミの森が誕生したのは2008年ですので当時は1才くらいだった計算になります。とても立派でしたし、本当にお疲れ様でした。
オオカミの森を楽しむための豆知識
オオカミの遠吠え
普段は何も語らずのオオカミですが、遠吠えは突然にやってきます。
⚫︎ 園内イベント放送の音楽に同調
⚫︎ 閉園時の「蛍の光」館内放送に同調
特に園内で流れるイベントの紹介で使われる音楽の時が、遠吠えの瞬間を見る絶好のチャンスです!
オオカミの足跡
天窓にはオオカミの足跡が残されています。天窓は複数ありますのでチェックしてみましょう。
エゾシカの森との隣接
オオカミの森の隣にはエゾシカの森があります。本来オオカミは肉食獣で北海道ではエゾシカを狩して生活していました。オオカミとエゾシカが金網越しに睨み合う様子が見られるのも旭山スタイルです。